2024/3/2 横浜金沢ハーフマラソン 2024



『このまま行こう。 あくまで淡々と同じペースで刻むのが今日のプランだ。』


2月中旬の茨城県石岡市で開催されたハーフマラソンから約2週間。
神奈川県横浜市で開催される横浜金沢ハーフマラソン 2024に出走するため、横浜市へと赴いた。
ハーフマラソンと言っても距離は21.0975kmではなく20kmジャストだ。

実は石岡でハーフを走った翌日から風邪に罹患してしまい、明確に分かる程度の体調の悪化を久し振りに感じていた。
当初は1週間程度で寛解するだろうと想定していたが、実際には1週間掛けて悪化して次の1週間で回復基調に入った形であり、レース当日朝になる迄出場するか否か検討し続けていた程だ。
当日朝も風邪の症状は抜けていなく体調は40%前後と言ったところだが、底よりは戻ったと思う。
故に今回は速めのロング走という位置付けで練習の一環として望むことにし、出走することにした。
毎週土曜日はおおよそ20kmのロング走をしており、タイミング面でも丁度良い。
順位は3位入賞を確保し、タイムはイーヴンペースで1:11:30(3:35/kmペース)位で走れれば良いだろう。

自宅を出て一般道から高速道路を経由して、会場となる海の公園へと至る。
雲が支配的な空の中晴れ間も見え、悪くはない天候ではあったが、混雑も殆ど無くスムーズに駐車場へと到着した。
車を出てみると冷んやりとした空気が身体を包む。
気温は低めであるとの予報は見ていたが、想定よりも上がってきていないように感じた。
風については早朝はかなり強かったが、少しは収まってきたようだ。
とは言うものの日差しが殆ど無かったので、体感温度はかなり寒く感じた。

こちらは公園奥の海岸の雰囲気。

左手奥に八景島が在る。

空を多くの雲が覆っている。
反対側を向いてみる。

西側の空も灰色が基調だがこちらの方が所により青空が垣間見える。
ちなみにこの公園には比較的大きな売店もある。


潮干狩りも出来るようだし、ランニング以外を目的に訪れても楽しめるかもしれない。

こちらのレースはゼッケン等の事前送付は無いため、まずは大会本部の受付を訪れてネームなどをチェックしてビブを受け取る。
テントの周囲を見遣ると、未だレースのスタート時間から30分以上前にも関わらず、多くのランナー達で賑わっていた。
スタッフも含め年齢層も比較的若いように思える。
この辺りは年代別の部門等が設定されていないためかもしれない。
その場合、一般的には若いランナーの方が上位に行く可能性が高くなるため、高齢のランナーにとっては参戦障壁となるためだ。
横を見るとゲストと思われる方のセッションが始まろうとおり、ステージの付近にも人が集まり始めていた。
そちらにも興味はあったがコースを未だ見ていないこともあり、一通り手続きを済ませた後、レセプションを後にした。

スタートは10時ジャストで比較的時間に余裕もあったので、アップを兼ねて公園内を試走することにした。
今回のコースは1周2kmのコースを10周する。
ちなみにハーフマラソンのほか10kmと4kmの部門もあり、同じコースを走る。
10kmの場合は5周、4kmの場合は2周だ。
試走して大まかに感じた点は、スタート&ゴール地点のあるホームストレートは長く平坦だが、バック側はアップダウンや折り返し、急カーヴなどがありお世辞にも走り易いとは言い難いと言うところ。
更にコースで最も傾斜のキツイ上りの部分の道幅が狭く、そこは注意しなければならないだろう。
また折り返し地点もカーヴを伴っているので要注意だ。
この辺りを念頭に入れてラップを刻んでいく必要がある。
シューズはアルファフライ2とベイパーフライ3を持って来ていたが、注意すべきコーナー以外はホームストレートを含め平坦な直線区間が多いこと、および風邪でピッチを上げられないためストライドで稼げるアルファフライの方が楽に走れるだろうという点を加味し、アルファフライ2を履くことにした。

割とのんびりと下見をしているとスタート5分前位になっていたため、スタート地点へと向かう。
スタート順については、速めのペースで行くランナーが前方、逆もまた然り程度でブロック分けなども無かったため、最前列に位置取ることにした。
横を見るとペーサーのランナーが待機しており、ビブを見ると3:50/kmのペースで引っ張るようだ。
こちらのペースメーカーが最も速く、そこから4:00/kmや4:30/km、5:00/kmなどが続いていた。
自分の走力を考えると流石に3:50/kmではあまり練習にならないため、予定通り3:35/km前後で刻んで行くことにしてレース開始の時刻を待った。

ゲストが放つ号砲とともにハーフマラソンがスタート。
まずは私が飛び出し、その後にランナーが続いた。
後ろを見ていないので何人居るかは分からないが、レースの規模を考慮すると1人か2人程度だろう。
スタートから暫くは長い直線でありレースの入でもあるので、勢いを付けるために3:30/km程度のペースで入ってみる。
後続も普通に付いて来るようだ。
数百メートル経過して状況に変わりが無さそうなので、トップ集団はおおよそ確定したように思えた。

1kmを行かない程度の距離で、1人が私の横からスッと前に出る。
すかさずもう1人、選手がすり抜けて行った。
その後は続く気配が無いことから、先頭集団は3人に絞られたようだ。
となるとこのまま行けば順位としては目標は達成、後は予定通りのペースで走れるかだ。
先頭に立った上下ともに白いユニフォームの選手が徐々にスピードを上げて行き、もう1人の選手が後に続く。
1kmに直すと3分20秒台のペースに突入しそうな勢いだが、行けないスピードでは無さそうなので暫くは付いて行ってみることにした。

最初の1kmは3:30、続く2kmは3:26、3:26と巡行した。
想定よりも速いペースだ。
風邪で病んだ身体に鞭を打ってこのまま行けるところまで行くことも可能だが、それは当初の趣旨に反する。
体調を考慮し、あくまで今回のレースは練習の一環としての速めのロング走という位置付けだ。
故にここから2人に付くことは止め、当初の3:35/km程度のペースに落として巡行することにした。
なお2人の間に距離も徐々に出来つつあり、1位のランナーが圧勝しそうな気配も見えていた。

4kmを過ぎ、1km辺り3:30から3:35の間のペースでのロング走が始まった。
既に10kmや4kmのレースに出走する選手達も走り始めており、コース内の混雑はピークに達している。
特に狭い所では他の選手を追い抜くだけでもかなり気を付けておかないと危ない。
こちらと同様に相手も余裕があるとは限らないからだ。
そのため、出来る限り注意深く他のランナーの動きを観察しながら横をパスすることにした。
これはこれで、繰り返し行うと疲労が伴うことは言う迄もない。
仮にかなり余力が有ってスピードを上げるにしても、比較的人数が減って来る終盤の方が良いだろう。
そんなことを考えながら周回を重ねて行った。

10kmの通過は35:13。
1kmにして3:31のペースだ。
予定よりも若干速めではあるが、未だ未だ余裕は有る。
前方に目を向けると、遠方ながら2位の選手の背中が段々と近付いて来ていた。
これはこのまま行けば追い付けるかもしれない。
が、あくまで今回は彼を追い抜き勝ちを収めることが目的ではない。
既に3位以内には入っているので、イーヴンペースで巡行して余裕を持って走り終え、ダメージを最小限にしつつ良い練習だったと実感できることが重要だ。
そう改めて心に決めると、今迄と同じペースで淡々とリズムを刻んだ。

12kmを通過。
次は7周目なのでレースの3/5が終わったことになる。
この2kmは3:33/kmと想定通りのペースだ。
4kmの部に出走しているランナーが続々とゴールしているためか、段々とランナーの数も減り始めているような気もした。
2位のランナーの背中も結構近い所まで来ている。
あと1kmもしないうちに追い付くことも出来そうだし、そろそろ少し上げてみることにしよう。

7周目前半の上り坂を過ぎて下りに入ると、射程圏内だった2番手のランナーを捉えることができた。
そのまま少しだけ後ろに付いて休みつつ様子を伺ってみる。
どうやら比較的余裕は有りそうだ。
ただ、こちらも同じく余力は有る。
少し揺さぶってみようかと思い前に出てみると、彼が直ぐに後ろに付いた。
さてどうするか。
このまま行ってラスト勝負も面白い。
とは言うもののラストでスプリント勝負をする気も今日は無かった。
ならばと言うことで、折り返しを利用して一気にペースを上げてみる。
すると直後に聞こえていた力強い息遣いと足音は、距離を経ることに段々と離れて行った。
そしてまた周回が終わり8周目に入る。
この2kmは6:59、1kmあたりのペースは3:29から3:30と、少しだけ上げた形となった。

その後も、おおよそ3:31/kmから3:32/kmとほぼ一定のペースで周回を重ねる。
苦しいと言う程ではないが、楽々と言う程でもない、文字通り良い練習になっている位のスピードだ。
もう直ぐ最後の周回に入る。
前にも後ろにも今のところ気配は無い。
次の1周もおおよそこの程度のペースでは押して行けそうなので、仮に後続に刺されたとしても1人だけならばそれはそれで良いだろう。
と言うことで気を楽に保ちつつホームストレートを駆け抜けて行った。

10回目となる最後の上りを抜けて下りを走っていると、他のランナーとは違う力強い息遣いが背後から段々と迫って来ていることを感じた。
こちらのペースはほぼ変えていないので、先程パスした2番手の選手がかなりのスピードで追い上げて来たのだ。
何ともタフなことだろう。
と思いつつ、自分もペースを上げた訳ではないものの先程似たようなことをしたか等と自分と会話しながら足を進める。
少しの時を経て彼が真後ろに付く。
直ぐ先のコーナーを左に曲がって200m程の直線を抜ければ残り1kmだ。
コーナーを抜ける。
後ろの彼が一気にペースを上げて並ぶ。
思わず「タフですね〜!」と声を掛けてみた。
彼は少し笑うとそのまま私の前に出て更にペースを上げる。
勝負を賭けてきたのだろう。
いつもならばさてどうするかと考えるところだが、今日については既に意思は決まっていた。

『このまま行こう。 あくまで淡々と同じペースで刻むのが今日のプランだ。』

白いシャツと黒いハーフタイツを着たランナーの背中がみるみるうちに遠ざかって行く。
この分だと3分10秒台後半位には上がっているかもしれない。
見事なスパートだなと思いつつ遠ざかる彼を見送り、私も最終コーナーを曲がる。
そう言えば今日はキツくもならなかったので表情すら変えていなかったことに気付いた。
最後位はにこやかにと言うことで少しスピードを緩めてサングラスを額に上げる。
そのまま両手を上げて、やや笑顔を作りながらゴールラインを抜けた。

最後の2kmは7:09、ラストに意図的に下げたことを考慮すると、ラスト1周もそれ迄とおおよそ同じペースだっただろう。
記録は1:10:33、順位は3位。
前半10kmを35:13、後半10kmを35:20と予定通りほぼイーヴンペースで快走したことになり、良い練習になったと思う。

レース終了から少しの時が経ち、当初の予定通り11:30から表彰式が催された。
表彰台等は無く簡易ではあったが、表彰状と銅メダルを頂戴した。
その際にプレゼンターの方から笑顔で「淡々と走られていましたね〜。」と一声頂いたので、「そうですね〜。そう言うプランだったので淡々と行きました。」と和かに返答。
その後、メダル受賞者3人が集まった記念撮影を経て解散となった。
メダルを掛けた姿を記念に1枚撮影。


BOOSTのバックの鮮やかなブルーが心地良い。
帰宅後に撮影したものになるが、賞状とメダルがこちら。


良いお土産になったと思う。

さて、次のレースの予定は2024年3月24日に埼玉県上里町で開催される第30回 上里町乾武マラソン。
エントリーしたのは10kmの部だ。
順位は40台男子部門にて3位以内を目標に快走したいと思う。
タイムについては33:30から34:30の間を目安に考えているが、正直なところ今回はそれ程拘りはない。
メダル圏内を目指しつつ、勝負を楽しんで走りたいと思う。

最後に、家族を始め今回も応援してくれた全ての人に感謝し、筆を置きたいと思う。



ありがとうございました。